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1. 背景目的
①イナズマアンカーボルト(偏心アンカーボルト)は、現在のあと施工アンカーボルトの最大の欠陥: 鉄筋に当ると使用できない という問題を解決します。 ②従来のあと施工アンカーは、仮設工事、サポート・架台・小型機器の取付などの付帯工事に使用されていましたが、もっと強度を必要とされる場所、耐震対策工事、大型主要機器のアンカーに採用できるようにしました。 皆様、もっとあと施工アンカーを使用し、品質up(不良工事をいっさいしない)、工程短縮、施工低減、CO2排出量の削減を図ってください。 ③アンカーを斜めに打ち込む施工、鉄筋を切断してアンカーを取り付ける施工は不良工事です。耐震性を保持できません。 |
主要工事にもっとあと施工アンカーを!
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2. ストレートアンカーでは鉄筋を躱(かわ)せない
まっすぐなストレートアンカーのキリの太さと鉄筋の投影面積から計算すると、D13の鉄筋ピッチ200mmで作られたコンクリート床、壁では31%の面積においてはM16のストレートアンカーをあと施工アンカーとして打てないことになります。実際、当方施工実績で、穿孔と鉄筋の遭遇する確率は次のようになります。
3. 穿孔と鉄筋の遭遇する確率(スエヒロシステム株式会社データによる)
梁、耐力壁 | 62.0% |
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柱 | 43.5% |
壁、床 | 33.0% |
4. 斜め打ち15゜以上は不良工事
表に示すように30゜斜め施工の場合、半分の強度しか保証できません。斜め30゜施工では、荷重2.7tonの時、すでにコンクリート表面のボルト同辺のコンクリートにクラックが発生しています。
斜め打ちは、くの字に折れたところが容易にまっすぐになろうとし、この部分のコンクリートが少しずつ破壊され、締め付けナットがゆるみ脱落事故につながります。
15゜斜め打ちでも強度が落ちますが、許容できる範囲です。スエヒロシステム(株)では信頼性upの為、10゜以内での斜め打ちを提案します。検査基準値としては、15゜未満で良いと思います。
5. アンカーの定着工法の種類とイナズマアンカー工法の役割
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(耐震制御) |
5-1.イナズマアンカー工法の役割
イナズマアンカー工法とは、接着系偏心あと施工アンカー工法のことを表し、鉄筋コンクリートに複数の穿孔を行い、定着させるスペースを形成し、接着剤を注入し、イナズマアンカーボルトを定着させる工法のことを言います。 今まであと施工アンカー工法が採用されなかった先付け工法、箱抜き工法、はつり鉄筋むき出し工法の分野を、あと施工アンカーの世界に取り込むことが出来る新しい工法です。先付け工法、箱抜き工法、はつり鉄筋むき出し工法こそ、土木、建築工事の建設スピードを妨げ、芯出し作業に時間を費やし、美しい躯体を傷め、強度を下げ、鉄筋の品質を下げる工法です。しかも騒音、振動、CO2の発生の源になっているものです。鉄筋と遭遇しない時には、従来の接着系あと施工アンカー工法を採用し、鉄筋と遭遇したらイナズマアンカー工法を採用することにより、あと施工アンカー業界の施工範囲がもっと広がり、建設業界に原価低減をもたらすものと、スエヒロシステム株式会社は考えます。
5-2.アンカー定着工法の分類
5-3.アンカー定着工法の長所と短所
アンカー定着工法の種類 | 長 所 | 短 所 | |
1 | 先付け工法 |
◆ コンクリートの中に十分に定着できる |
◆施工時期が限定される ◆ベース側設計変更不可能 ◆据付精度が悪い ◆据付に時間を要する |
2 | はつり鉄筋むき出し工法 |
◆鉄筋と遭遇しても施工できる |
◆鉄筋と溶接すると、鉄筋品質を下げる ◆鉄筋に引っ掛ける鉄筋にせん断力が作用する ◆モルタル充填部が剥がれやすい ◆はつりにより、コンクリート構造物を傷める ◆施工に時間を要し養生に7日~28日要する |
3 | 箱抜き工法 |
◆コンクリートの斫り作業が少なくなる ◆鉄筋の配置がわかるので、鉄筋を避けて、あと施工アンカーを取り付けられる |
◆箱の取り付け作業に手間を要する ◆はつり作業が不用となる ◆アンカーをあと施工アンカーとしてコンクリートに打ち込む定着代が少ない ◆モルタル充填部が剥離しやすい ◆施工に時間を要し養生に7日~28日要する |
4 | 金属拡張あと施工アンカー工法 |
◆容易に施工できる |
◆鉄筋と遭遇したら使用できない |
5 | 接着系あと施工アンカー工法 |
◆容易に施工できる |
◆鉄筋と遭遇したら使用できない |
6 新 工 法 |
接着系偏心あと施工アンカー工法 | ◆鉄筋と遭遇したとき容易に施工できる ◆定着強さが耐震アンカーとして作られている(ストレートアンカーの2倍以上の接着面積を確保している) ◆1、2、3の工法よりトータル施工費は安く、早く、品質良く施工できる |
◆接着系ストレートあと施工アンカーに比べて単価が高い |
6. アンカー定着工法に見られる誤解
6-1.先付け工法
コンクリート成形時に施工されたアンカーボルトは、コンクリートの付着力(14kgf/cm2×アンカーボルト表面積)によりしっかりコンクリートの中に固着されます。 |
躯体内で十分に定着されている
6-2.躯体鉄筋への溶接
鉄筋とアンカーボルトの溶接は、鉄筋の品質を低下させます。また溶接部にせん断力を作用させるのは、絶対にしてはいけないことです。表面のモルタル充填部は剥がれやすいものです。 |
鉄筋溶接部は、せん断方向にとても弱い
モルタル充填部は剥がれやすい
6-3.躯体鉄筋への引っ掛け
鉄筋の局所部に曲げ応力が作用する。表面のモルタル充填部は剥がれやすい。 |
鉄筋局所部に曲げ応力が作用する
モルタル充填部は剥がれやすい
6-4.あと施工アンカー
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接着力で十分定着される
7. イナズマアンカー強度計算モデル
偏心しているので、引張力Tがアンカーに作用すると偏心による曲げモーメント e×Tが働く。この曲げモーメントをコンクリート圧縮耐力Ph+Pa+アンカー本体の剛性で受けています。
8. 現状のアンカー取付状況
リンクベルト式汚泥掻寄機(ハツリ、溶接工法)
すべては接着系あと施工アンカーで施工し、鉄筋と遭遇した所は、イナズマアンカーボルトで施工した例です。早く、安く施工完了しました。
躯体鉄筋を斫り、鉄筋に溶接したり、引っかけ、モルタルを充填する方法は、土木工学の立場からすると、躯体の鉄筋に局所応力を与え、コンクリートの品質を劣化させ、剥離しやすいモルタル充填部を作ることになります。これは許されるものではありません。
9. 新工法
鉄筋遭遇時のイナズマアンカーボルトによる工法
すべて接着系あと施工アンカーで施工し、鉄筋と遭遇した所は、イナズマアンカーボルトで施工した例です。短期期間で、安価に施工した例です。
10.接着剤について
接着剤は当社指定品を必ずご使用ください。(日本デコラックス株式会社の有機系接着剤EL-350、GL-450を標準で採用しております) 無機系接着剤をご希望の方には、株式会社ケー・エフ・シーのエスアールタイトをご使用ください。いずれもイナズマアンカー手配数に必要分の接着剤量を計算し、イナズマアンカーと同時にお届け致します。また、EL-350、GL-450には専用注入ガンが必要です。注入ガンも当社へご注文ください。貴社で購入されてる価格と同等かそれ以下で販売致します。接着剤とイナズマアンカーボルトはセットで販売致します。これは、当社の品質管理にとって重要なことです。
接着剤カタログ
・ | EL-350 | (日本デコラックス株式会社) | ・・・ エポキシアクリレート系樹脂カートリッジ |
・ | GL-450 | (日本デコラックス株式会社) | ・・・ エポキシ系樹脂カートリッジ |
・ | エスアールタイト | (株式会社ケー・エフ・シー) | ・・・ 無機系カプセルアンカー |
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イナズマアンカーに対するよくあるお問い合わせはこちらに掲載しております。
イナズマアンカー注文要領
イナズマアンカーは接着系あと施工偏心アンカーボルトとして、従来のあと施工アンカーの分類になかった新しい分野です。従って、イナズマアンカーボルトの選定に迷われると思います。また商社にも100%お答えできないところもあるかと思います。商社経由であっても技術的な質問は、直接スエヒロシステム株式会社 アンカー事業部へ問い合わせください。
イナズマアンカー手配フロー
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